UIUXデザイン会社選びで陥りがちな失敗とその原因
「デザインは素晴らしかったのに、実装できなかった…」
こんな悩みを抱えたことはありませんか?私も以前、ある大手ECサイトのリニューアルプロジェクトで同じ経験をしました。見た目は美しいのに、技術的に実現不可能な要素が盛り込まれていて、結局大幅な手戻りが発生したのです。
IPAの調査によると、日本企業の69.3%がDXに取り組んでいますが、その多くが「人材確保が難しい」(57.5%)という課題を抱えています。そこでUIUXデザインの外注が選択肢となるわけですが、単に「ポートフォリオの美しさ」だけで選ぶと、こうした問題に直面するリスクが高まります。
UIUXデザイン会社選びで最も重要なのは、見た目の美しさだけでなく、以下の3要素です:
- プロセスの透明性
- コミュニケーション方法
- 技術的な実装知識
この記事では、発注者視点で本当に押さえるべき7つの評価基準と、契約前の質問リストをご紹介します。
評価基準①:デザインの品質とポートフォリオの多様性
まずは基本中の基本、デザインの品質評価です。ただし、ここで見るべきは単なる「見た目の良さ」だけではありません。
チェックすべきポイント
- 業界横断的な実績があるか: 多様な分野での実績は応用力の証拠です。
- 問題解決の深さ: ビフォー/アフターだけでなくプロセスも確認。
- デザインシステムの構築経験: 一貫性と拡張性のある設計が可能か。
失敗例と成功例
❌ 失敗例: A社は見た目重視で選定 → 実装不可で大幅修正。
⭕ 成功例: B社は実績とプロセス重視で選定 → 工数削減に成功。
評価基準②:ユーザー調査・分析能力
「見栄えのいいデザイン」と「効果的なデザイン」は必ずしも一致しません。
チェックすべきポイント
調査手法 | 特徴 | 適フェーズ |
---|---|---|
ユーザーインタビュー | 深い洞察が得られる | 要件定義初期 |
ユーザビリティテスト | 問題点発見 | プロトタイプ検証時 |
アクセス解析 | 定量的な行動把握 | 継続的改善 |
A/Bテスト | 効果検証 | リリース後 |
- 定性・定量のデータを活用できるか
- 設計への反映プロセスがあるか
❌ 失敗例: C社は調査なし → 改修コスト30%増。
⭕ 成功例: D社はテスト実施 → CVR32%向上。
評価基準③:開発チームとの連携実績
- 技術スタックへの理解
- Figmaなどの連携ツール活用
- HTML/CSS等の基礎知識
- エンジニアとの協業事例
フィンテック企業E社では、共同ワークショップ導入で開発効率15%向上。
評価基準④:プロジェクト管理手法と透明性
- ウォーターフォール・アジャイルなどの手法
- 進捗の見える化
- 変更管理ルール
ツール | 特徴 | 適プロジェクト |
---|---|---|
Figma | リアルタイム編集 | UI/UX全般 |
JIRA | タスク管理 | アジャイル開発 |
Notion | 情報共有 | ドキュメント重視 |
Slack | コミュニケーション | チーム連携 |
評価基準⑤:コミュニケーションスタイルと頻度
- 定例ミーティングの頻度
- 主要担当者の関与
- 意思決定プロセス
❌ 失敗例: 中間チェックなし → 方向性ズレで1ヶ月遅延。
⭕ 成功例: 毎日15分チェック → スムーズ完了。
評価基準⑥:料金体系の明確さと柔軟性
料金モデル | メリット | デメリット | 向いているケース |
---|---|---|---|
固定費 | 予算明確 | 変更に弱い | 要件明確 |
タイム&マテリアル | 柔軟対応 | 費用不透明 | 探索型 |
リテイナー | 長期サポート | ROI不透明 | 継続改善 |
成果報酬 | 結果に責任 | リスク分散 | KPI明確 |
目安相場(2024年版)
トップページ:15〜30万、EC全体:180〜350万、アプリ:200〜500万、月額リテイナー:80〜200万
評価基準⑦とチェックリスト:発注前の最終確認
アフターサポートのチェックポイント
- 改善提案の有無
- データ分析サポート
- 定期レビュー
- 緊急対応条件
発注前チェックリスト(質問)
- 成功事例と改善結果は?
- 主担当と実務者は同一?
- ユーザーテストの内容とタイミング
- 技術制約への対応
- 進捗共有方法
- 仕様変更の対応フロー
- 開発への引き継ぎ方法
- 料金モデルの内訳と追加条件
- リリース後サポート内容
- KPIと成果測定方法
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